政策提言 時事評論
2008年6月8日に、将来を絶望した派遣社員、加藤智大が秋葉原で無差別殺傷事件を起こしたことで、派遣社員の劣悪な労働条件に世間の注目が集まった。事件後、舛添要一厚生労働相は、日雇い派遣を禁止する方針を打ち出し、2008年秋の臨時国会に、労働者派遣法改正案が提出される予定である。しかし、こうした法的規制で問題は本当に解決するのか。派遣社員を含めたすべての労働者の待遇を改善するにはどうすればよいのか、抜本的な解決策を探りたい。
ケビン・ラッド政権の時代になってから、オーストラリアは、公式に、日本の調査捕鯨に抗議するようになった。オーストラリアでは、昔から反捕鯨の世論が強いが、捕鯨をして鯨肉を食べなけれべならないのは、日本人よりもむしろオーストラリア人の方ではないのか。
もしもあなたが日本の大学院の博士課程に進学すれば、周囲からこうささやかれるだろう。なぜならば、たとえ博士号を取得できたとしても、ホームレスにしかなれないぐらいに、今後、余剰博士の問題は深刻になるからだ。「末は博士か大臣か」と言われた時代は終わった。余剰博士問題はなぜ起きるのか、その根本的な原因を考えながら、問題の解決策を探ろう。
社会福祉は不要である。安心して暮らすことができる社会を作る上で必要なのは保険であり、保険は営利企業に委ねることができる。社会福祉の機能を民間の保険会社に代行させ、社会保障の分野に市場原理を導入することは、大きな政府の弊害を是正する上で重要である。私たちは、政府が強者から税を徴収して弱者にばらまく福祉中心型社会から、幸運な者と不幸な者がリスクヘッジのコストを分担し合う保険中心型社会へと移行するべきである。
1980年代、日本が世界最強の経済大国だった頃、「日本のサラリーマンは働きすぎだ」あるいは「日本の子供は勉強しすぎだ」といった非難が海外から浴びせられた。海外から指摘されるまでもなく、過労死につながるような長時間労働や、青少年から考えるゆとりを奪ってしまうような受験勉強は望ましくない。その意味で、ゆとり教育とゆとり労働は理念としては間違っていない。しかし、日本政府がこの理念を実現するためにとった政策手段は、賢明なものだったとは言い難い。
2005年3月25日、愛知万博が開幕した。海外のメディアが注目しているのは、テーマである環境への取り組みではなく、日本の技術の粋を集めたヒューマノイド・ロボット(人型ロボット)である。開幕式では、トヨタ、ソニー、ホンダが開発したロボットたちによる歌と踊りの競演が披露された。はたして、日本が得意とするヒューマノイド・ロボットの製造は、21世紀の主要産業となりうるのだろうか。
現在、我が国では、資源問題と環境問題の解決策の一つとして、サマータイムの導入が検討されている。2005年2月22日に、サマータイム制度推進議員連盟が活動を再開し、中央環境審議会地球環境部会は、地球温暖化対策の一環として、サマータイムの導入を提言している。しかし、私はサマータイムには反対だ。代替案として、固定型デイライト・セイビング・タイムを提唱する。
国債発行残高は587兆円に達する(2005年1月現在)。この巨額の借金を削減するには、歳出のカットだけでは不十分である。残された方法は二つしかない。増税するか、債務を帳消しにするかである。増税すれば、日本の景気回復に悪影響を与える。そこで、デフレ圧力を弱める後者の調整インフレ政策が脚光を浴びるわけである。
日本人の中には、グローバリゼーション、すなわちグローバル・スタンダードの押し付けによって、古き良き日本が失われ、世界のアメリカ化が進むことを嘆く人が多い。しかし、グローバル・スタンダードを受け入れるということは、日本をアメリカ化することではない。
農業革命(食料生産革命)によって農業社会が、工業革命(Industrial Revolution 産業革命)によって工業社会が成立したように、今、情報革命によって情報社会が生まれつつある。この論文では、情報革命が経営形態にどのような変化をもたらすかを論じたい。第一節では情報革命とは何かを、第二節では情報革命によって生産形態がどう変化するかを、そして第三節では情報社会では経営はいかにあるべきかを論じる。
インターネットが普及したおかげで、有権者が電子投票により、直接公共選択に参加することが技術的に可能になった。問題は、直接民主主義が、現行の間接民主主義よりも優れているかどうかである。
デジタルコンテンツの著作料金を回収するためには、複製と頒布にコストがかからないという特性を十分に生かすために、アナログコンテンツの著作権を守るときのように従量的に課金せずに、ハードの購入費や通信網の使用料金に一定比率で著作物利用料金を課すべきである。そうすれば、市場規模の増大により、情報消費者とソフトのクリエイターとハードウェア業者は、三者とも少ない犠牲で大きな利益を得ることができる。
ネット人口は増え続けているが、ネット通販は、いっこうに流通の主役になりそうにない。ネット通販は、便利なだけでなく、環境への負荷をも減らすことができる。そこで、普及に向けての起爆剤を提案したい。
日本では、北朝鮮に対してどう対応するべきかに関して、経済制裁を発動するべきだという右寄りの主張と、一般の北朝鮮人民には罪はないとして、人道的な分野に限った経済支援をするべきだという左寄りの主張がある。しかし、諸悪の根源である金正日体制を崩壊させるためには、経済制裁も経済援助も、ともに有害である。
市場原理に対する論壇の評価は、89年に東欧で、91年にソ連で社会主義体制が崩壊した時に頂点に達したが、その後、97年にアジア経済危機が、98年にロシア経済危機が始まると、グローバル市場経済に対する懐疑的な見方が広がった。それにもかかわらず、経済・政治の原理として、市場原理以上の原理がないという意味で、市場原理は至上原理である。




