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太陽活動と景気循環の関係

なぜ景気は循環するのかに関して、専門の経済学者たちの間でいまだに定説がない。そこで、この問題を経済学の内部で解決しようとせずに、もっと宇宙規模で考察してみよう。景気循環を太陽系のバイオリズムとみなし、文明の興亡をも説明する包括的な理論の可能性が生まれてくる。

1. ジェボンズの太陽黒点説

限界効用理論の提唱者の一人として有名な経済学者、ウィリアム・ジェヴォンズは、1876年に、科学雑誌『ネイチャー』に「商業恐慌と太陽黒点」という論文を発表し、太陽黒点活動と景気循環との連動を指摘した。多くの経済学者は、この太陽黒点説を荒唐無稽なオカルト的学説として嘲笑もしくは無視している。しかし、彼ら自身は、なぜ景気が特定の長さの周期で循環するのかを説得的に説明する代案を持っていない。

景気循環の主循環は、約10年を周期とするジュグラー・サイクルで、これは太陽黒点数の主要な変動周期である11年に対応している。例えば、最近100年間の日本における工業投資指数の伸び率と太陽黒点相対数とのグラフを見比べてみると、強い正の相関関係を観て取ることができる。経済学者は、機械の寿命は10年なので、設備投資は約10年ごとに増減すると説明するが、機械設備の耐用年限は、実際にはまちまちだし、時代によって変化しているので、この説明は苦しい。

2. 主循環以外のサイクル

主循環の他に、約40ヶ月を周期とする在庫循環であるキチン・サイクル、15-25年を周期とする建設循環であるグズネッツ・サイクル、50-60年を周期とする技術革新の循環であるコンドラチェフ・サイクルが、経済学の分野で実証されているが、それぞれ、2-4年(太陽黒点周期の1/3倍)周期のエルニーニョのサイクル、約22年(太陽黒点周期の2倍)周期のヘールのサイクル、約55年(太陽黒点周期の5倍)周期の吉村サイクルに対応している。

以下の図1は、11年周期の影響を取り去って、太陽黒点数の増減の傾向を図示した、11年移動平均のグラフである。55年周期以外に、その倍の周期をも見て取ることができる。

図1 過去300年間の太陽黒点数の11年間移動平均。 [National Geophysical Data Center: Sunspot Numbers] でのデータを基に作成。

コンドラチェフ・サイクルは、金利の波動なのだが、金利が高くなる1815年、1870年、1920年、1973年では、太陽活動も低調である。図2を見てもわかるように、特に1901年前後は、山が低い状態が長く続いているが、それは、この期間が、さらに規模の大きな長期の波動、太陽大周期の谷に当たるからだ。

図2 1700年から2002年までの太陽黒点数の変動 [National Geophysical Data Center: NGDC-STP - Sunspot Numbers] 。青色の各山が11年周期に相当する。

太陽大周期とは、200年ごとに現れる、太陽黒点数の極小期である。1900年前後の極小期の200年前に当たる1700年前後にはマウンダー極小期、さらに200年前に当たる1500年前後にはシュペーラー極小期、さらに200年前に当たる1300年前後にはウォルフ極小期がある。これらの三つの極小期には、こうした固有名詞がつくぐらい太陽黒点数が激減した。14世紀から18世紀にかけての時期は、現在の温暖期や中世温暖期と比べて寒く、小氷期と呼ばれているぐらいであるが、それは、この期間が、さらに規模の大きな長期の波動、2500年周期の谷に当たるからだ。

太陽黒点数は、2500年ごとに、ほとんどゼロになる時期が来る。BC3300年頃から始まった都市革命、BC800年頃から始まった精神革命、1700年頃から始まった科学革命は、いずれも2500年周期の谷で起きた革命なのである。都市革命は、世界各地に四大文明を生み出した。精神革命は、イスラエル、ギリシャ、インド、中国に、今日でも古典として賞賛されている高度な哲学や宗教を生み出した。科学革命は、ヨーロッパに、近代科学と技術革新に基づく資本主義を生み出した。こうした人類の歴史を画期する重要な出来事が、気候の寒冷期、すなわち危機的状況で現れることは興味深い。逆に山に相当する温暖期、例えば中世温暖期では、生活が安定するがゆえに、革命やイノベーションは起きにくくなる。

3. なぜ黒点数の変動は経済に影響を与えるのか

こうした太陽黒点数の波動と人類文明の波動とのシンクロナイズは、たんなる偶然であって、因果関係はないのだろうか。そうではない。太陽黒点数が増えると、太陽放射が強くなる。太陽放射全体の強度の変動幅は、11年周期で1%以下と小さいが、紫外部の放射強度は2-3倍にもなり、地球に無視できない影響を与える。紫外部は、オゾン層に捕らえられ、最終的には地球の上層大気の電離圏に熱として吸収される。だから、太陽黒点数が増えると、地球はより多くの太陽エネルギーを受け取り、そしてその低エントロピー資源を消費することにより、養分と水と大気の循環が活発になり、人間経済の生産量も増大すると考えることができる。

読書案内
書名 地球環境変化と経済長期変動―太陽黒点変動との関係を中心に
媒体 単行本
著者 住田 紘
出版社と出版時期 同文舘出版, 2000/03
書名 気象・太陽黒点と景気変動
媒体 単行本
著者 住田 紘
出版社と出版時期 同文舘出版, 2004/04
追記

100年に1度の経済危機といわれる2007年以降の大不況と100年に1度の太陽活動の低迷が時期的に重なっていることにはどのような意味があるのか、興味のあるところである。

太陽活動の目安となる黒点が、今年は全く見えない日が非常に多く、活動が約100年ぶりの低水準にあることが、米航空宇宙局(NASA)の観測で分かった。太陽活動は約11年の周期で変動しており、現在は極小期にあるが、歴史的な低調さが次の極大期の時期や規模、地球の気候にどう影響するかが注目されている。

NASAによると、今年、黒点の見えない日は7日までの97日中85日で88%となり、1913年の85%を上回っている。昨年は73%だった。衛星観測では、前回の極小期の1990年代半ばに比べ、太陽の可視光の放射は0.02%減少し、紫外光は6%減少。電波の強さと、太陽から吹き出す電離した粒子「太陽風」の圧力は、ともに約50年間で最低水準だ。

[時事ドットコム(2009年04月09日)太陽活動、100年ぶり低水準=黒点見えない日続く]
[投稿者:永井俊哉|公開日:2001年7月 7日|コメント:10個]
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コメント(10)

おもしろい説ですね、前々からこの太陽の活動周期と経済的な活動周期は関連性があるのではないかと考えていました。人間ではコントロールできない気候の変動をもたらすので、それにともなって人間の生活にも影響が出るのであろう、ということで。
最初はオカルト的、ということですが(まあ内容的にはそう思われても仕方ないですね)いまはどのような評価を受けているのでしょうか?いまだ一般的ではないのですかね?

テレビでは占いブームで細木のおばちゃんがでまくってますが、12年周期という形を取っているものが非常に多いですね。これもこの太陽の活動(占星術なんかまさにそれか)とリンクしており、これまで蓄積されたデータから集約されたものを結果として出して、ズレ少ない時期は当たりやすい、といったところでしょうか。

ニュースによると太陽活動が弱くなっていくということで、説からすると経済活動は今後10年ほどよくなっていくのでしょうか。細木占い的にわたしも今後10年ぐらいはイケイケになりそうで、実際その兆候が多いのでいろいろ期待していたりします。

>まった科学革命は、いずれも2500年周期の谷で起きた革命なのである。都市
へぇ~こういう説ははじめて聞きました。でも2500年で太陽活動が極小になったという事実は検証が難しいのではないでしょうか?大昔の観測データから、それらが読み取れたということなのでしょうか。あと2500年に1回の太陽活動が極小化ということは、相当な氷河期ってことなのですか?(時期がすれるかな)産業革命頃ってそんな大氷河期のような時代だったということなのですか?あまりそういうのは聞いたことがないのですが・・・。
んでも、まあ次の革命が起きるのは4200年、40世紀以降ってわけですか。むちゃくちゃ先ですね~(革命ってのはあまりいい環境ぽくないからいらんけど)

>温暖期、例えば中世温暖期では、生活が安定するがゆえに、革命やイノベー>ションは起きにくくなる。
これは真ですね。温暖な南の島に高度な文明が発達しなかった、環境的にシビアなところほどイノベーションは起きてますからね。
人間個人でも同様です、ぬるま湯に浸かってた人間は発達しませんが、厳しい環境にさらされて生き残った人間は優れた力をもっていますから。

と、いうものの、人間的な感情の面で障害をもっているんじゃないのか?というぐらいドライな人がいまの世の中優秀、というかんじもあるので、いいのかわるいのか微妙なところですね。(最強の投資家は脳の一部に欠陥がある人間、とかいうニュースもあったし、間違いではないでしょう)

フツーが一番幸せと信じ、フツー目指してがんばっているけど、なかなかほっといてくれないというのが現実なんだろうなぁ。(-。-) ボソッ

“でも2500年で太陽活動が極小になったという事実は検証が難しいのではないでしょうか?大昔の観測データから、それらが読み取れたということなのでしょうか。”

グリーンランドや南極で掘削した氷床深層コアの酸素同位体比、主要化学成分、固体微粒子、大気. 成分などを解析することで、長期的な気候変動を知ることができます。


昨年、4月ぐらいから無黒点の状態が多かった。サブプライムによる株価暴落と関係あるのか?
 3月25日にひさしぶりの黒点が突然3~4個あらわれた。7月頃に株価上昇?

 あいもかわらず無黒点状態が続く太陽面です。

 本日(2008年6月14日、岩手県内陸部でマグネチュード7の地震があった。中国の大雪からはじまって、先月のミャンマーのサイクロン、中国四川大地震、米国の竜巻発生数の増加(昨日東北青森で竜巻があった)。今年まだ半年すぎていないのに大自然災害が多い。あと半年の間にもっとすごいことが世界いたるところでおこります。また、世界の食料騒動、原油高、インフレ・・・。これから未来人類にとってもっとすごいことが起こるでしょう。
 地球は温暖化でなく、氷河期にはいった。恐竜の時代が終わったように人類社会の終焉へと向かった。それが今回の太陽の無黒点状態がそのメッセジーだ。
 


「科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている」

という本を最近読みました。

この本によれば、太陽の黒点について、黒点が増えれば太陽のエネルギーが熱量として増えるとか減るとかいうことは否定している。しかし、黒点が増えると太陽風が強くなり、地球に降り注ぐ宇宙線の量が太陽風の影響を受けて減るとか。
 この本では、地球上の雲を作る要因に宇宙線と大気との衝突を挙げていて、宇宙線が多く降り注ぐ場合、雲が増え、その結果、地球が寒冷化するという仮説を主張している。
 この本では景気変動のことまでは語っていない。
 しかし、よくよく考えてみれば地球上のエネルギーとはどこから来ているのか考えると、太陽が大部分なのではないかと私は以前から考えていた。
 今日、図書館で日経新聞の日本経済論(だったかな?)を読んでいたら、景気循環の項目で太陽の黒点説を、なぜか一番に挙げていたよ(もっとも根拠があるのかないのかわからんと書いてある)。
 私の推測では、太陽の周期と景気の周期には、実際のところかなりのずれがあると思う。しかし、なんらかの結びつきが考えられるんじゃないかといったところだ。

 昔読んだトンデモ本では、人間にとっての神とは「ウイルス」だと言っていた。ペストのことなんだけど、ペストのヨーロッパでの猛威について語られる文章を読んでいたら、いつの間にかそれがアメリカ合衆国の誕生に結び付く。それがなんとなく理路整然としていて、信じ込まされたりする。太陽の黒点についても、語りたがる人は理論武装しているから、聞く人はすんなりと結論までいってしまうかもしれない。昔、アステカの人は太陽神を信じていたが、人間にとっての神とは実は「太陽活動」なのかもしれない・・・・ということが事実ならば世の中の考え方は大きく変わるかも。
 大事件が起きるたびに、いろんな人がいろんなことを言うが、一般的に信じられている論理で説明されても納得できないことが多く、背後にはもっと大きなものがあるのではないかと常に考えてみるべきだと思う。

9月23日に薄い黒点がかすかにあらわれたが、あいもからず無黒点に近い太陽面だ。 リーマンブラザーズ危機がまた世界経済を脅かしている。これはこの太陽活動と連動しているあかしではないか? また、富士山の初冠雪が大正3年以来の最もはやい初冠雪が8月にあり、赤道直下のケニヤで雪が降り、今年の諏訪湖の御神渡が連日みられた。これは寒冷化の方向に兆しである。温暖化というが100年ほど前、死を決して北極点にいったのに飛行機でハイキングてきに欧米人たちがいくんだから人間の体温でそこらが暖かくなって氷も溶けるのはあたりまえ。ちなみに南極の氷は溶けていない。欧米人たちのトリックにだまされるな!

面白く拝読しました。
CQ Ham Radioという雑誌の2009年1月号で、河崎 眞澄という人が、住田 紘氏の著書を援用しながら「太陽黒点数ゼロと金融危機の関係(上)」 という文章を書いていますが、このウェブページとほとんど同内容なのはどうなのでしょうか?ご参考までに。


>クズネコフさん
「新・国際潮流」ですね。
河崎は産経記者でバリバリの親台反中(元台北支局長、現在は編集局経済本部次長)です。
「還ってきた台湾人日本兵」なんて本を著したりもしてます。
編集部は何であんな御仁をライターに起用してるのか、未だに理解出来ません。

太陽活動の威力に比べたら人間の営みなぞほんの微々たるものだと思います。だから景気循環=黒点数の増減、という説は正しいと思います。太陽は今後もだんだんと弱ってゆくのでしょうか。

SpaceWeather.com によると、2009年8月27日現在、2009年に太陽黒点数がゼロだった日は188日で、これは、全日数の79%に相当します。やはりこれは、百年に一度の太陽黒点数異常といえるでしょう。

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