NHKはどのように民営化するべきか
[はーふ・しりあす:NHKは「公共放送」なんです] へのトラックバック (1)。NHKは国営放送ではないが、受信料を強制徴収する権利を与えた、準国営の公共放送だが、これを民営化し、市場原理を導入することにどのような問題があるのか考えましょう。
見比べてみれば一目瞭然ですが、NHKでは福祉や健康、科学や文化に関する番組が非常に多いことがわかります。はっきりいって、これほどの大量の低視聴率番組を、民放が流すことは考えられないし、絶対に8時台なんて時間には放送されないでしょう。こういった番組を必要とするのは、決してマジョリティではなく、視聴率を稼ぐことは出来ないことが確かだからです。
ブログなどでも「民放とNHKの番組に、もはや大した差は無い」という意見は散見されますが、こうして比べてみれば、明らかに大きな差異があることは明白です。たしかに、民放でも、NHKに勝るとも劣らない良い番組もありますし、NHKが不得意な分野もあります。が、絶対量でも、放送される時間帯などでも明らかな差異があるのは認めるべきでしょう。そしてこれらは、民放ではやはり実現できないということも、多くの人は素直に感じていることです。
たしかに、NHKのような有料テレビで放送されているような番組を、民放の無料テレビで放送することはできません。しかし、だからと言って、なぜNHKを民営化するべきではないという結論が出てくるのでしょうか。もしも、民間では有料テレビが実現できないのであれば、この主張は理解できますが、実際には、有料の衛星テレビ放送が、純粋な民間営利企業によって行われています。
私は、昔、スカパーのヒストリーチャンネルやディスカバリーチャンネルを見ていました。これらの放送局は、月額たったの525円で、NHKの教養番組と変わらない質のドキュメンタリーを放送しています。NHKを民営化することができるかどうかを論じるのであれば、国営有料放送を、民間無料放送と比べるのではなくて、民間有料放送と比べるべきです。
私は、NHKラジオ第一放送だけを国営にして、そこで災害情報(テレビは災害時に弱いので、ラジオのほうがよい)や国会中継(ウェブカメラを設置して、ネットで見ることができれば、それで十分かもしれない)や政府広報など、政府ならではの番組を放送し、それ以外はすべてチャンネルごとに分割民営化するべきだと思っています。もちろん、受信料の強制徴収なども廃止するべきです。














私の家ではヒストリーチャンネルやディスカバリーチャンネルを観る事ができないために、各社のサイトに掲載されている番組情報からしか番組内容を知りえることができないのですが、サイトを見た限りでは、海外制作の番組が大半を占めているように感じられます。(ヒストリーチャンネル日本法人のオリジナル番組は今月はたった3本しか放映されないようです。)
科学系のドキュメンタリーなど海外制作の番組には非常に質の高く興味深いものも多くあります。しかしながら、海外制作の番組では日本の経済を扱ったドキュメンタリーや日本の視点からの大戦や原爆に関する番組、地域文化・伝統文化に関する番組などは制作することができません。これら日本国内しか対象になりえない番組を有料チャンネルで制作・放映を行おうとすれば月々525円ではできるわけがないと思います。ディスカバリーチャンネルなどは、世界規模で同一番組を放映をしているからこそ成り立つ放送局なのです。
ですので、単純にNHKとこれら有料衛星局を比べること自体間違っているのではないでしょうか?
「日本の経済を扱ったドキュメンタリーや日本の視点からの大戦や原爆に関する番組、地域文化・伝統文化に関する番組」は、日本国内だけでしか放送できないのでしょうか。私たちが、海外の歴史や文化や経済に関心を持つように、海外の人たちも、少なくともインテリたちは、日本の歴史や文化や経済に関心を持っています。また、欧米以外の国の観点を求めている視聴者もいます。日本だけでは需要が少ない場合でも(NHKがなくなれば、あるいは少なくとも、強制的な受信料徴収制度がなくなれば、決してそんなことはないのですが)、ワールドワイドには、採算が取れるだけ売れると思います。いずれにせよ、NHKを民営化して運営していくことは、NHKの特権を維持したまま、民間がNHKと同じことをするよりかは、はるかに容易であることは確かです。