ポリアの壷の問題
ポリアの壷(Polya's urn)の問題は、ハンガリーの数学者、ジョージ・ポリア(ハンガリー語表記:Polya Gyorgy,生没年:1887-1985)によって提起されたので、そう呼ばれる。この確率論的問題の解法(証明方法)はさまざまあるが、「期待値の量子物理学的解釈」で提案した方法が最もわかりやすい。
1. ポリアの壷の問題
壷の中に玉Aがa個、玉Bがb個あり、Aを引くとAをc+1個、Bを引くとBをc+1個、壷に補充する。つまり、試行終了後、壷の中の個数が、c個ずつ増えるようにする。この時、n回目の試行でAを引く確率P(n)は、
と、nの値によらず一定となる。それはなぜか。
2. 数学的帰納法による証明
[1] n=1の時には、a+b個の中からa個選ぶ確率だから、明らかに成り立つ。
[2] n=kの時成り立つと仮定すると、k回目にAが引かれる確率は、
である。また、k-1回目の試行の後、補充が成されると、個数は、合計で、a+b+(k-1)c個であるから、k回目の試行が行われる前のAの個数は、
個に等しいとみなすことができる。これは個数の期待値であるから、実際の個数とは異なり、自然数でない場合もある。しかしながら、実際の個数のように扱えることに関しては、前回の「期待値の量子物理学的解釈」を参照されたい。
(2-1) k回目にAを引き、かつ、k+1回目にAを引く場合、Aの個数は、k回目の試行の後、c個増えるので、確率P1(k+1)は、
(2-2) k回目にBを引き、かつ、k+1回目にAを引く場合、Aの個数は、k-1回目の試行の後と同じなので、確率P2(k+1)は、
Aがk+1回目に出るのはこの二つの場合、(2-1)と(2-2)に限られ、かつ、二つの事象は排反なので、
よって、n=k+1 のときにも成り立つ。
[1]と[2]より、すべての自然数nについて、式001は成り立つ。
3. ポリアの壷の応用
この問題では、a,b,c は自然数であるが、必ずしも自然数である必要はなく、a+b≠0∧a+b+nc≠0∧a≧0∧b≧0 という条件を満たしているなら、どの実数でもかまわない。壷と玉ではイメージできないが、例えば、広さが a [cm2] と b [cm2] の領域に、ランダムにダーツを当て、当たるたびに、当たった領域を c [cm2] 増やすという試行をするとき、a,b,c が自然数でなくとも、式001は成り立つ。













